5月01日(第1日曜日)に名護市にあるゆかり牧場の駐車場にて今回初ORP主催のモタード及びミニバイクの シリーズ戦が開催された。MFJ公認競技としては、MOTO1国内A級クラス、MOTO2国内A級クラスの2クラスで 競技参戦資格としては、国内A級保持者であることが条件である。MFJ承認クラスとしては、モタードのMクラスで、 M−1,M−2,M−3,M−4の4クラスであるが、今回は、M−1,2,3の3クラスの競技となった。また、 おなじみのミニバイクレースは、ワンクラス制としMFJ承認で競技が開催されている。天気予報では、曇りとなっていたが、 天候に恵まれ、沖縄晴れといった日差しの暑いレース日となった。今回は、モタードのジャンプ台をコース上に設置したまま ミニバイクとモタードが交互にレース開催された。
 初めに走行したのが、ミニバイク。今回は、なんとあのチーム東海の仲村幸之助の長男である 仲村優佑選手が 後続との差をぐんぐんと引き離し、独走で圧倒的な速さを他の選手に見せ付けた。仲村優佑選手は、 まだ、 小学生ということから今後は本当に期待されているライダーである。仲村優佑選手の父、仲村幸之助選手の スパルタ的ともいえるライディング教育の成果がここに形として結果が残されたのだと思う。コーナーでステップ が 路面に付きカリカリっと音が鳴るだけでは、納得しない。ステップがガリガリガリィ〜〜っとなって初めて、 次のアドバイスをする父。練習中にコーナーで息子が吹っ飛んでも「ウッサ、ヌーアラン」と言って笑っている父。 甥っ子が転倒しても自分で立ち上がれという仲村家の叔父さん達。仲村一族の徹底したスパルタ教育。 このままでは、 あの仲村幸次朗選手が追い抜かれるのも時間の問題なのか。
 

 M−1,2,3クラスは現在台数が少ないため、混走となっている。MクラスはMFJのエンジョイライセンス で参戦可能だが、MFJの国内B級は申請のみで取得が可能なので選手は積極的に国内B級ライセンスを取得し、 昇格ポイントで来年度、国内A級に昇格して欲しいものです。現在、Mクラス混走で目立っているのは、チーム エンジョイの大城宏太郎選手。宏太郎選手はカワサキのDトラッカーでM−2クラスに参戦していますが、M− 1クラスの選手をも押さえる程の速さで今まで断突の総合第1位でしたが、今回はヘルメットのヒモを閉め忘れ 一時コースアウトし、ヘルメットのヒモを完全に閉め直しての再スタート。それまではM−1クラスのゼッケン 30番チームARMSの代表新垣佳也選手とハードなバトルを展開していた。大城宏太郎選手がコースアウトし た時、新垣佳也選手、思わずニヤリ。その後チームARMSの新垣佳也選手が安定した走りで総合トップとなり、 勿論、M−1クラスの勝者となった。M−2クラスは大城宏太郎選手がヘルメットのヒモを締め直してもトップ となる圧倒的な速さで1位に輝いた。M−3クラスは、古波鮫板金の古波鮫隆選手が継続してエントリーしてい るが、現在のところ、参戦者が少なく、いつもM−3で1人他のクラスと混走している状況が続いている。古波 鮫選手は国内B級ライセンスの事を知り、積極的に申請し、沖縄県内では初の国内B級所持者となった。古波鮫 選手のモタードレースに対する意欲には脱帽する。Mクラスは一般車両でも参戦しやすいカテゴリーなので、是 非読者の皆様も読むだけではなく実際にチャレンジしてみよう。

 さて、国内A級MOTO−2クラスでは、ゼッケン20番チームエンジョイの瀬長邦秀選手が何と今回で4連勝 !ゼッケン4番チームモトサウンドの山口高士選手が瀬長選手を追い詰めるがなかなか抜けない。決勝で一度は 2台で接触し2台とも転倒寸前だったが、さすが!国内A級。両選手ともバランスを取り戻しレース続行。両選 手の差は0.2秒程で、本当にスタートからゴールまで激しいバトリングを見せてくれた。ゴールした後に最終 コーナーで瀬長選手は派手にドリフトを決めギャラリーに対して大サービス!ドリフトが決まった直後、フロン トブレーキをロックさせ、なんと今度は大転倒!ギャラリーに対するここまでのサービスはなかなかできない! 勿論、ギャラリーからは拍手喝采と沖縄特有の指笛の連発で、会場は拍手と指笛のフュー、フューで賑わった。 瀬長選手は立ち上がりギャラリーに対して照れくさそうに両手で大きくOKのポーズ!バイクを起こして愛車に またがると山口選手が近寄ってきて「大丈夫?」といたわりの言葉をかけると思いきや、瀬長選手に「レース中 に転べばいいのに」と本音でいたわりの言葉を交わしていた^^;

 国内A級MOTO−1では、なんとゼッケン27番KTM沖縄の大城博立選手が今回で3連勝!ゼッケン1番 TEAM MATSUDAの松田敬貴選手がかなり苦戦している。勝負の世界は、やはり結果が勝負である。今回、松田敬貴 選手、予選のスタートから気合充分でMOTO−1クラスをリードしていった。第1ヒート、松田敬貴選手がそ のままトップでゴール。2位大城博立選手。3位は何と、MOTO−2の大蛇、瀬長邦秀選手がスタート時間に 遅れ5秒遅れのペナルティースタートを与えられたにもかかわらず予選は、3位まで追い上げてきた。さて、決 勝ヒートは、勿論、ゼッケン1番の松田敬貴選手がスタートから1位の座をキープしたまま逃げの体制に!レー スは20周で勝敗を決めるスプリントレースである。レース中盤まで大城博立選手が松田敬貴選手を追いかける 。しかし、今回の松田選手は気合充分!大城博立選手をジワリジワリと離していく、レース残り1周、既に2番 手の大城博立選手との差は、約50m。ミスをおこさなければ余裕でチャンピオン確実。コース半ばでフロント を滑らせてしまい、まさかの大転倒!バイクと松田敬貴選手が絡み合いながらコース上を滑っているすきに2番 手の大城博立選手と、何と3番手に上がってきたゼッケン3番シューティングスターの喜屋武秀樹選手。そして、 4番手にいた瀬長選手が追い上げてくる!すぐにバイクを起こすがその瞬間、後続の3台に無残にも追い越され てしまった。松田選手必死で追いかけるが、レースは残り半周となっていた。トップライダー達のレベルで、半 周で抜く事は至難の技である。19周で50メートルの差をつけるのに1周で2.63メートルしか離せない状態 では、流石の松田敬貴選手もお手上げ状態です。今回、3連覇を成し遂げたゼッケン27番の大城博立選手は2 番手の喜屋武秀樹選手と3番手の瀬長邦秀選手がピッタリと後ろに着きながらもウィリーゴールを魅せてくれた。 前回まで、大城博立選手と松田敬貴選手とのポイント差が1点で大城選手がリードしていた。さて、今回のリザ ルトで年間ポイントがどう変動するか、また、松田選手がゼッケン1番をキープすることができるであろうか。 今回で4戦が終了し、残すは5戦。全レースがポイント有効となるORP杯。ライダーへの負担は大きいが、是 非、皆でこの熱い男達の戦いを肌で感じ一緒になって応援し盛り上げよう。