いすゞ ベレット1800GT ポコペン先生 ポコペン vol.3

政清おじさんが大事に乗ってたベレットGT、思いきって聞いてみた。

「僕に譲ってくれんね。」

「ん~たかやには、まだ早いなー。手放す時にはお前にあげるさ。」

そりゃーそうだ。大事に乗ってきたクラッシックカーを、免許取りたての子供のおもちゃにされてはかなわんよな。

高校三年、卒業間近かの春である。ベレGは俺の脳裏に焼き付いて、その後も離れることは無かった。

それから8年、毎日の営業回りに明け暮れる日々、ふと立ち寄った食堂にあった中古車情報誌に、思いでのベレGが!

おじさんのベレGなら、より一層ドラマチックであるが、その車は横浜市の中古車である。

しかしながら、シルバーに1800独特の角形テールランプ。おじさんのベレG、まんまであった。

何かが切れた俺は、その足で本屋に行き同じ情報誌を購入。その日一日、5㎝角の小さな写真を眺め続けた。

やっちまった・・・。オー○スさんにお願いして36回払い、とうとう翌週ベレG届いてしまった。衝動買い。

待ち焦がれる事一週間。知り合いの中古車屋に頼んで港から届いたベレG。

何とも小さい、かわいい、かっこいい。さらにはボロいでもある・・・。

軽の新車が買えるくらいはしたんだがなー・・・。レストアにあと倍くらい掛かりそうだ。

しかしここまでは想定範囲。 レストアは板金工場経営の政清おじさんに頼んである。

同じ、ベレGオーナーのおじさんなら、完璧に仕上げてくれるはず。

おじさんの工場は、本島の果て本部町浦崎。 ベレG届いたはいいが、どんなしてもってくばー。ナンバーも付いてないのに。

会社の後輩のけんいちに話したら、「僕がけん引していきます。」との即答。

ありがとう、けんいち。いつもイジめてるのに、こんな俺のために・・・。俺って人徳あるねー。

ちなみに、けんいちの車はスバル レガシーだが、彼が江頭2:50に似ている事から、僕がエガシー号と命名しリアのエンブレムのLEGACYのLを取って捨ててあげた。

そんなパワハラも受けてるのに、お前はなんてやさしい奴なんだ。

明日は中山そばで、ちむふぐまでおごりで食わしてやるからな。

けんいちの「EGACY」とロープで繋いで、エンジンかけて結局二台で併走。

ベレットのエンジン音。 昭和40年代の空気がまだ車内には残っているかの様な昔かじゃー。 油圧計まで付いた男心をくすぐるオールアナログのメーターパネル。

「買って良かったやっさー・・・、」 感無量でちょっとめがしら熱いやしぇー。

しかし、けんいちの運転よー。 ロープも3mしか無いのに、ひっちー急ブレーキから急発進の繰り返し。

歩き方もちょっとおかしいくらい運動神経無いから、運転も適性してないんじゃないか?  じれん、人の倍くらいかよった様な事言ってたしな。

目的地にたどり着くまで、ベレットを堪能している余裕はなさそうだ。

必死の思いで一般道から3~4時間、ようやく本部到着。一年分の反射神経使った感。

仕事終わりで那覇から出発、結局本部に着いたのは23時を過ぎていた。

おじさんに、「あとはよろしくたのんます。」して早々にけんいちの助手席でとんぼ返り。

けんいちは俺を那覇まで送り、自分は具志川まで帰るんだよ。こんないい奴いるか? 仕事も疲れたのに200キロくらい走ってるぜ。

日々いじめて本当にすまんかった。LEGACYのLは解体屋から必ず探して取り付けようなー!


おはよー、おはよー。「みんなー、朝のコーヒーじゃんけんやろうぜー。」

事前に俺がみんなに打ち合わせ済みである。 「けんいちーあれ、じんぶん足らんから絶対パー出すからよ、みんなチョキな。」

本人は気づいて無いが90%の確立でパーを出す、運動神経たらんふーなー歩き方で出勤した彼のモーニングコーヒーは1500円もした・・・。

昨日の恩義はすっかり忘れた俺であった。 「けんいち泣かんけよ、昼ご飯は俺がおごるからよ。」

こないだヒカシューのライブに行きました。はっしぇまだやってるんだね。僕が小六の時に聞いてた人たちだよ。

「20世紀の終わりに、」巻上公一の声、なんも変わってなかった。

五月には、(元ハートビーツのボーカル、シャイさん)、(元A・R・Bのドラムス、キースさん)、(元アナーキーのベース、寺岡さん)、(現あやかじの古見さん)

四人のバンド「GROOVIN」、場所未定ですが、ライブ決定です。 僕もマネージャーとして現場監督してますので、ファンのみなさま是非ご参加下さい。

(詳細は、五月のSTEREOブログにて紹介します。) 「栄町STEREO ブログ」、で検索下さい。
                       
BAR STEREO  TAKAYA

ポコペン先生のPROFILE

ポコペン先生

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文・TAKAYA

旧車&アナログ盤をこよなく愛す栄町のBAR STEREOオーナーであるTAKAYAがつぶやく、ちょっと懐かしいネオヒストリックな話題、いかがでしょう?

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