さらなる成長を意識しつづけた2025年に

2025-12-17

しまんちゅレーサーのレース奮闘DIARY!!_’25年11月振り返り

いよいよ2025年シーズンも最終局面。少しでもいい結果を手にして締めくくりたいと願いを胸に挑み続けた。11月は参戦するカテゴリーの最終戦が立て続けに行なわれたが、まず最初に挑んだのは、SUPER GT第8戦。今シーズンはレギュレーションの変更によって、平良がドライブするNo.2 HYPER WATER INGING GR86 GTはタフなシーズンを過ごしてきた。本来であれば前戦のオートポリスは得意とするサーキットだったが、不安定な天候や性能調整に水を差される形となり、苦戦。それでもチーム一丸となって戦略を駆使し、なんとかシリーズチャンピオン獲得の可能性を残す形で舞台となる栃木・モビリティリゾートもてぎへと乗り込んできた。

予選前日に降った雨の影響が多少残ったものの、午後からの予選を迎える頃には天候が回復。ドライコンディションのなかで平良がQ1・A組に出走すると、結果は6番手。しかと重責を果たし、堤優威選手へとバトンを繋いだ。ところが、Q2ではアタック中にメカニカルトラブルが発生。アタックを続けることが難しくなり、クルマはそのままピットへ。結果、13番手から決勝に挑むことになった。
厳しい条件下で臨んだ決勝。秋が深まるなかで迎えた300kmの戦いは、まず堤選手がスタートを担当する。もてぎはパッシングポイントが限られ、また車両的にも得意とは言い難いコースながら、堤選手は序盤から果敢な攻めの走りを披露。ポジションアップに腐心した。一方、戦略としてはライバルが早めのピットインを次々と行なうなか、チームではタイミングを遅らせて逆転のチャンスを伺うことに。9番手で平良がコースに向かい、チェッカーを目指した。ライバルたちとの攻防戦を繰り広げたいところだったが、コース上では単独走行が続き、ポジションを変えることなくこのままチェッカー。結果、シリーズランキングを10位で終えることとなった。全8戦で行なわれた戦いで、No.2 HYPER WATER INGING GR86 GTは7戦で入賞を達成。安定感ある戦いはできただけに、”あと一歩”、”あと少し”の差に苦しんだともいえるだろう。来シーズンこそ上位入賞を続けてタイトル争いを目指していきたい。

11月中旬のレースは、スーパー耐久シリーズ最終戦。舞台は静岡・富士スピードウェイとなる。No.225 KTMS GR YARISは前回第6戦の岡山ではクラス優勝を果たしており、逆転でのクラスチャンピオン獲得の可能性があるなかでの決戦になる。なお、今回、今シーズンからトリオを組んできた鈴木斗輝哉選手が欠場。変わって荒川麟選手と富下李央菜選手とともにステアリングを握った。
専有走行時にアクシデントに見舞われ、落ち着かない状況に置かれたNo.225 KTMS GR YARIS。しかしながら、スタッフの懸命な修復により、翌日の予選を無事に出走。平良自身はBドライバーとしてタイムアタックに挑むと、Aドライバーを担当した富下選手との合算タイムでクラス6番手となる。クラスチャンピオン獲得を目指す状況としては、正直なところクラス6番手は厳しい結果だが、耐久レースという長時間レースを味方に、粘りある戦いをやり遂げようと決勝を迎えた。

平良はスタートドライバーを担当。レース序盤からの追い上げを信じ、攻めの走りを続ける。しかしながら、特性が異なる車両同士の戦いのため、ポジションアップも容易ではない。それでもしぶとく好機を伺うなかでひとつまたひとつと逆転を果たし、富下そして荒川へとバトンを託した。その後、最終盤には平良が再びドライブ。クラス3番手からさらに上を目指したが、順位不動のままチェッカー。最終戦を表彰台の一角で締めくくったものの、クラスチャンピオン争いにおいては、ライバルのレース結果によってシリーズ2位に。タイトルは逃したものの、平良にとっては先輩ドライバーとして若手を牽引する役目を担うシーズンでもあり、多方面において成長に繋がる機会を得ることになったはずだ。

師走目前、11月最終週に岡山国際サーキットで開催されたのは、TOYOTA GAZOORacing GR86/BRZ Cup。今シーズンから新たに活動をスタートさせたオキナワドリームレーシングだが、7月の十勝大会ではチーム初となるポイント獲得を達成しているため、最終戦では是が非でもベストリザルトを狙いたい。
寒さを感じるなか、予選でのタイムアタックもタイヤマネージメントが難しいところ。しっかりとウォームアップを行ない、タイヤの”おいしい”ところを引き出してタイムを出したかったのだが……。うまくタイミングを合わせ込むことができず、17番手という結果に甘んじてしまった。

決勝ではスタートダッシュでNo.330 OKINAWA GR86をひとつでもポジションアップしようと力走を誓った平良。大混戦のなか、緩急自在の走りを続け、逆転のチャンスを狙っていく。その一方で、レース中は2度にわたるセーフティカー導入となり、展開を読むのが難しい状況に。集中力を切らさず接戦を凌ぎきった平良だったが、11位でチェッカーを受け、シーズン最後の戦いに幕を下ろすこととなった。

参戦する各カテゴリーによってさまざまな”役目”を担い、奮闘を続けた2025年シーズン。レースファンにとってはオフシーズンになるが、ドライバーはもうすでに2026年に向けての準備はスタートしている。平良自身も今シーズンを超えるリザルトを手にすべく、引き続き粉骨砕身の覚悟で邁進あるのみだ。
(文:島村元子 撮影:中村佳史)

この記事をSNSでシェアする

  • line