シーズンも終盤。よりよい結果を目指して奮闘

2025-11-06

しまんちゅレーサーのレース奮闘DIARY!!_’25年10月振り返り

 長かった残暑から解放され、ようやく秋めいた天候のなかでレースができるようになったと思ったら、駆け足で秋が訪れて冷たい風が吹くように。そんななかでも、平良響は自身のレース参戦でひとつでも上のポジションでフィニッシュすべく、全身全霊で挑んでいる。

 10月の第一週目に三重・鈴鹿サーキットにおいて開催されたのは、GR86/BRZ Cup 2025第6戦。年間7戦で競う戦いだが、今年は沖縄ドリームレーシングとともにNo.330 OKINAWA GR86を走らせている。予選日の天候は本降りの雨。難しいコンディションのなかでアタックを強いられ、19番手に。翌日の決勝は雨は上がり、天気も回復。とはいえ、路面はドライアップする方向ではあったもののまだウェットが先行。しかも、一部の箇所で降雨も確認されるという不安定な状況での戦いとなった。なお、この鈴鹿には沖縄からの応援ツアーが来場しており、平良のモチベーションもぐっと上昇。たくさんの応援をパワーに変えてレースに挑んだ。結果は、ポジショアップの17位フィニッシュ。鈴鹿戦を終えて、シリーズランキングは18番手となっているが、11月末に控える最終戦の岡山では、上位入賞を果たしてポジションアップを狙っていくことになりそうだ。

 続く”現場”は、大分・オートポリス。SUPER GT第7戦を迎える戦いの舞台は、沖縄から一番近い!? サーキットでもある。搬入日にあたる金曜日は強い日差しに恵まれ、まさに秋晴れの天気だったのだが、土曜日は朝から天候がぐずつき、いつ雨が降ってきても不思議ではない状態。朝の公式練習はさほど気にならない程度の雨だったが、案の定、午後からの予選になるとパラパラと雨が落ちはじめる。Q1・B組に出走した平良は集中力を高めて渾身のアタック。4番手で通過してパートナーである堤優威選手へとバトンを繋いだ。その堤選手も見事なアタックを見せて3番手タイムをマーク! チームとしての条件下では理想的なポジション獲得となった。その一方で気になったのが、雨。当初は決勝はドライコンディションで開催できるという予報だったが、レースウィークに入ると天候が急変。事実、予選後には、関係者の多くが「決勝はスタート直前から雨になるのでは?」という話があちこちから聞こえてくるほどだった。

 そして迎えた決勝。早朝のサーキットは雨ではなく、濃霧にすっぽりと包まれる。サポートレース開催がディレイとなり、SUPER GTの開催にも暗雲が立ち込めるのか……と心配されたが、なんとか天候が回復。大分県警によるパレードラップも無事に行なわれてレースがスタートした。序盤スティントはポジションキープで周回を重ねたが、レース中盤に黄旗中の追い越しがペナルティとなり、ドライブスルーを課される。結果、上位入賞を目指して走行するもこれを機にポジションダウン。結果、入賞はしたものの12位でのチェッカーとなり、4ポイントは計上できたが、シリーズチャンピオン獲得の道のりは相当険しい状況になってしまった。

 10月最終週は、岡山国際サーキットでのスーパー耐久シリーズ。No.225 KTMS GR YARISは第5戦オートポリスで劇的逆転優勝(クラス優勝)し、およそ3ヶ月ぶりとなった岡山での”S耐”は、またしてもチーム力が炸裂するレースを披露することとなった。レースウィークの天気はまたしても雨絡み。結果的に10月のレースはすべて雨の影響を受ける展開になってしまった。公式予選ではST-2クラスの6番手タイムをマーク。現時点でランキング争いでクラストップの車両がさらに良いポジションからのスタートを切ることになったが、ウェット路面の決勝では、粘りあるレース運びを披露。路面をはじめとする不安定な状況下でも富下李央菜選手、鈴木斗輝哉選手、そして平良がモチベーションをキープして着実にペース&ポジションアップを決めていく。そして力を合わせる形で3時間のレースを走破。見事クラストップでチェッカーを受けることに成功し、さらに、この結果をもってランキング争いでもトップ車両との差を縮めた。タイトル獲得を目指し、最終戦富士に向けてより一段ギアを高めて戦うことになる。

(text:島村元子/photo:RACING japan PRESS)

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